John La Barbera Big Band
"On The Wild Side" Jazz Compass JC1007
70年代にBuddy Rich Orch.やWoody Herman Orch. に、たくさんの作品を提供したアレンジャー、John La Barberaの初リーダー・アルバム。彼ら3兄弟はLa Barbera Familyとして有名で、兄のPatは、Buddy Rich Orch.やElvin Jones(dr)のグループで大活躍したTenor Sax奏者。弟のJoeは、Woody Herman Orch.やBill Evans(p), Tony Bennett(vo)のグループで活躍したドラマー。そしてまん中がこのアルバムのリーダーで、アレンジャー兼トランペッターのJoeである。このアルバムでも兄弟は全面的に協力している。

アルバム・タイトルの5."Walk On The Wild Side Suite" は、元々はBuddy Rich Orch. に提供された10分余の大曲で、どことなく6〜70年代のビッグバンド・サウンドが懐かしい。3."Tiger Of San Pedro" は'75年頃の、今や伝説的になった?名盤 Bill Watrous & Manhattan Wildlife Refugeに提供されたものと同じ。Miles Davis の2.So What は3拍子で、また違った魅力が引き出されている。ビートルズの 7."Eleanor Rigby" は大胆にメスを入れられ、まるで初めからジャズの為の曲であるかのように見事に変身している。その他 Art Blakey (dr) に捧げられた 4."Message From Art"(この曲のみでソロをとる Bob Shepard(ts), Bruce Paulson(tb)も御機嫌)。全9曲共聞き所がいっぱいである。


そしてなんと言っても、5曲でフィーチュアされたPat La Barbera のテナーとソプラノが圧倒的な存在感を示している。もう一人のフィーチュア・ソリスト Clay Jenkins(tp) も4曲で大活躍。ビッグバンドを良く知り尽くしたアレンジャーによる見事なアルバムで、Buddy Rich Band ファンにもお薦めだ。
(2004.4.3)
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Wayne Bergeron
"You Call This A Living?" Wag Wecords WB-1002
現在ロサンゼルスで最も忙しいリード・トランペッター Wayne Bergeronn の初リ−ダ−・アルバム。Gordon Goodwin, Tom Kubis, Bill Liston や Nick Lane をアレンジャーに迎えて、完璧にコントロールされたハイ・ノートだけでなく、インプロヴィゼーションにも非凡な才能を披露し、気持ち良く吹きまきっている。

全9曲は、スタンダード・ナンバーの「Laura」、チャイコフスキーのくるみ割り人形組曲から「花のワルツ」、ラテン・フレーバーの「Friend Like Me」、アメリカ第2の国歌ともいえる「America The Beautiful」と変化に富み、全曲共見事なまでに料理され、少しも飽きさせないどころか、最後までグイグイ引き込まれる。ドラムスの Peter Erskine 等を含む豪華メンバー達が、仲間の初アルバムにただ花を添え、とても楽しみながら、最大限の協力をしている様子が目に浮かぶようだ。エキサイティングな Pete Christlieb (ts) と、中・低音を生かした Bill Reichenbach (b.tb) のソロもとても鮮やかだが、やはり全曲でフィーチュアされたリーダーの Wayne Bergeron が、圧倒的な存在感を示している。
最後に録音がとても良く、彼等の魅力をしっかり引き出している。
(2004.1.12)

Greg Hopkins
"Okavongo" Sammit DCD-293
アレンジャーとしての、グレグ・ホプキンスを有名にしたのは、なんと言ってもバディ・リッチ・オーケストラの為に書いた"Nuttville"だろう。その後'74年にバディ・リッチ・オーケストラを退団した彼は、バークリー音楽大学で教鞭をとる一方、ボストン近辺の優秀なミュージシャンを集め、自己の16人編成のビッグバンドを結成し活動している。この'01年に発売された「OKAVONGO」は全曲、自身のオリジナルあるいはアレンジで、MIck Goodrick(gt), James Williams(p), Bill Pierce(ts), そして Greg のトランペットがたっぷりフィーチュアされている。

彼のバンドは、伝統的なサウンドを活かしながら、ボブ・ミンツァーともマリア・シュナイダーとも違う新しい組み立てで、個性的なテュッティを作り出して行く。その一つ一つのフレーズは、まるでホーン・プレーヤーのインプロヴィゼーションようで、一聴すると取っ付き難いが、聴き込む中に彼の世界に引き込まれて行く。各ソリスト達もアレンジを良く理解した奥の深い演奏を繰り広げている。ここにはロサンゼルスの明るく明快なサウンドとも、ニューヨークの野太いサウンドとも異なる、一味違った魅力が産まれつつある。
(2003/1/6)

Michel Legrand
"Michel Legrand Big Band" Verve 538 937 2
1995年録音の大作曲家ミシェル・ルグランには珍しく、ストリングスもゲスト・プレーヤーも入っていない純粋な?ビッグ・バンド編成のアルバム。全10曲共、もちろん有名な「シェルブールの雨傘」、「風のささやき」、「Pieces of Dreams」等全部彼のオリジナルだが、アレンジが新鮮だし、どのソロもアンサンブルもとても素晴らしく、いずれも立派なジャズの作品に仕上がっている。なかでもマイルス・ディビスとの共作の「Dingo Lament」のジャズ・バージョンとロック・バージョン。このアルバムの為に書かれたと思われる、アルト・サックスのHerve Meschinet とミシェル・ルグランのピアノをフィーチュアした組曲風な「Images」は圧巻だ。

それにしても、管楽器とくに金管のレベルが高い、フランスの超一流奏者を集めてレコーディングされたと思われる本作品は、熱気ムンムンの満員のライブ・ハウスでのベーシー風なドライブ感とは一味違った、冷房の効いたコンサート・ホールでの演奏が似合いそうな、格調高い雰囲気を持っている。それにしても、ミシェル・ルグラン以外は全員無名(と思われる。もちろん日本での事)だが、このソリスト達の素晴らしさには驚かされる。
(2001/7/16)

Oliver Nelson
"Live From Los angels" impulse! MVCJ-19132
以前に紹介した Duke Pearson's Big Band と同じ1967年に、ロスアンゼルスで録音された最高のビッグ・バンドのライブ・アルバムで、今まで 一度も CD 化されなかったのが不思議なぐらいです。スタジオ録音と違って、アンサンブルやバランスなどは少々荒っぽいですが、それを補っても余りある魅力的で、活き活きした名盤です。なかでも Frank Strozier(as) と 若き日のTom Scott(ts) のソロ・バトルが壮絶な "Milestones" 。同じく Frank Strozier(as) を大きくフィ-チュアした "I Remember Bird" 。見事ににアレンジされたアンサンブルと、4人のトランペッターの個性的なソロが続く "Down By The Riverside"(何拍子で演奏されているか解りますか?) 等々、これぞビッグバンドだとも言える演奏が続きます。また、バンド全体を引き締める名手 Ed Thigpen(dr) のプレィも光ります。これでDuke Pearson と、この Oliver Nelson のアルバムが CD 化され、次には是非 Clare Fischer Big Band のアルバムの CD 化再発売が望まれます。(1999/4/3)